「ヘアアイロンを使いすぎると髪が傷む」
このフレーズ、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
でも、なぜヘアアイロンを使うと髪が傷みやすくなってしまうのでしょうか?
今回はその理由を分かりやすく解説しつつ、できるだけ髪の傷みを防ぐための対策についてもお伝えしていきますね!
ヘアアイロンで髪が傷む主な原因は3つ
ヘアアイロンが髪を傷める主な原因は、大きく分けてこの3つです。
1. 熱によるダメージ
2. 摩擦によるダメージ
3. 濡れた髪にアイロンを使うこと
1. 熱によるダメージ
髪がヘアアイロンで一番傷む理由は「熱」によるものです。
まずは、どうして熱が髪のダメージにつながるのか、その仕組みを説明しますね。
髪は主にタンパク質でできている
髪の毛は、実は80%以上がタンパク質からできています。
そして、このタンパク質は意外と熱に弱い性質を持っているんです。
傷みの仕組みは「フライパンのお肉」と同じ!
たとえば、フライパンでお肉を焼くと色が変わってどんどん固くなりますよね。
さらに加熱しすぎると焦げてしまいます。
この、タンパク質が熱で変化する現象を「タンパク質の変性」と言います。
髪の毛も同じで、高温のヘアアイロンを使うことで、タンパク質変性が起こりやすくなります。
タンパク質が変性すると、髪はどんどん硬くなり、ダメージが目立つようになります。
・パサつきが出て乾燥する
・切れ毛や枝毛が増えてしまう
・ヘアカラーが抜けやすくなったり、色が入りにくくなる
髪の変性が始まるのは60℃から
「じゃあ低温でアイロンを使えば傷まないんじゃ?」と思いがちですが、実は違います。
髪のタンパク質変性は60℃程度から始まると言われています。
つまり、髪を傷めたくなくて温度を下げすぎると、逆に何度も同じ部分にアイロンを当てることになり、余計にダメージが蓄積しやすくなるんです。
熱による傷みをできるだけ抑えるには?
髪がしっかりと真っ直ぐになったりカールがつくのは、一般的に160℃以上と言われています。
それよりも温度が低すぎると、仕上がりが悪くなり、何度も同じ部分にアイロンをかけてしまいがち。
ですから、髪を傷めないためには、160℃以上の高めの温度で、手早くサッと仕上げるのがコツです。
慣れてきたら180℃くらいでもOKですが、最初は160℃で試してみてください。
できるだけ短時間でスタイリングできるようになると、ダメージを抑えることができますよ。
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一度変性した髪は元に戻らない
お肉が焼けて色や硬さが変わったら、もう元には戻りませんよね。
髪も同じく、一度タンパク質変性を起こしてしまうと、完全には元の状態には戻らないんです。
つまり、パサパサになったり切れ毛や枝毛が増えてしまうと、次の新しい髪が生えてくるまでそのままになってしまいます。
こうした状態を避けるためにも、高温でサッとスタイリングすることが大事です。
2. 摩擦によるダメージ
次に、ヘアアイロンで髪が傷みやすくなる大きな原因が「摩擦」です。
ストレートアイロンを使う時の場面でイメージしてみましょう。
ストレートアイロンは、プレートで髪をはさんで毛先に向かってすべらせていきますよね。
この時、もしプレートの素材がゴムのように滑りが悪いものだったらどうなるでしょう?
途中で引っかかって髪がプチッと抜けてしまったり、髪表面がガサガサになったりしてしまいますよね。
実際には、そこまで極端な素材は少ないですが、摩擦が大きいプレート素材は髪のダメージを大きくしてしまうんです。
摩擦が少ないプレート素材を選ぶのがおすすめ
摩擦によるダメージをできるだけ防ぐには、なるべく摩擦が小さい素材のヘアアイロンを選ぶのがコツです。
・チタン(チタニウム)
・セラミック
すでにヘアアイロンを持っている人は?
もし今お使いのヘアアイロンがある場合は、プレートで髪を強くはさみすぎず、軽く挟んでサッとスライドさせることを心がけましょう。
これだけでも髪への摩擦ダメージをかなり抑えることができますよ。
3.濡れた髪へのヘアアイロン使用について
髪が傷みやすくなる大きな原因のひとつが「濡れた髪のままでヘアアイロンを使うこと」です。
皆さん、ヘアアイロンを使う前にしっかりと髪を乾かしていますか?
もし、髪がまだ湿っている状態や、乾ききっていないままヘアアイロンを使っているなら、それは今すぐ見直した方がいいポイントです!
濡れた髪でヘアアイロンを使うと、髪にかなりのダメージを与えてしまうんです。
濡れた髪はとてもデリケートな状態
髪が濡れていると、表面を守っているキューティクルが開いてしまい、髪は“丸腰”の無防備な状態に。
この無防備な状態で高温のヘアアイロンを当てると、本来キューティクルに守られている髪内部の水分まで一気に蒸発してしまい、傷みが急激に進んでしまいます。
濡れた髪は熱のダメージを受けやすい
さらに、濡れた髪は普段よりも熱の伝導率が高くなります。
「水分があるからダメージを軽減できそう」と思うかもしれませんが、実は真逆なんです(^^;
分かりやすい例えとして、また“お肉”で考えてみましょう。
たとえば、水分をたっぷり含んだお肉をフライパンで焼くと、ジュージュー音を立ててすぐに焦げ目がつきますよね。
でも、パサパサに乾いたビーフジャーキーを同じように焼いても、ほとんど音はしませんし、全体に火が通るまで時間がかかります。
つまり、髪もお肉と同じ。濡れていると熱をどんどん吸収してしまい、傷みやすくなります。
「濡れていれば熱を防げる」と勘違いされやすいですが、実は逆なので、必ず髪をしっかり乾かしてからヘアアイロンを使いましょう!
髪のダメージ対策まとめ
ヘアアイロンで髪が傷んでしまう主な3つの原因について、ここまででご理解いただけたかと思います。
最後に、ダメージをできるだけ抑えるための対処法を簡単にまとめておきますね。
・160℃以上の高温でサッと手早くアイロンをあてる
・摩擦の少ないプレート素材のものを選ぶ
・髪をギュッと強くはさみ過ぎない
・濡れたままの髪でヘアアイロンは絶対に使わない
このポイントを意識して、ヘアアイロンによる髪の傷みをしっかり予防していきましょうね。